映画に近づく未来の兵器

ハエにご注意!

 無人偵察機(UAV)、別名ドローンの存在は、事故を起こした福島原発 を高度50キロ以上の上空から撮影したことで、知られるようになった。カメラの精度もさることながら、地上からは爆音が聞こえないうえに、数日間飛び続けることができる。

 今ではアメリカの空軍、海軍、 陸軍、海兵隊全てがドローンを使っている。保有機数は、10年前には約50機だったが、いまや7000機に増えている。ビン・ラデインの隠れ家を確認する時にも、ドローンの映像が使われた。無人機の利点は、味方に死傷者を出さずに偵察できることだ。

ただ、画面を見ながら遠隔地から操作されるドローンによる空爆は、それほど正確ではない。米国の ブルッキンズ研究所によれば、一昨年、目標の人物1人を殺害するのに平均10人ほどの一般市民がまきぞえになった。

 ドローンの開発はまるで映画の ごとく、進化している。小型化も追求され、「レイヴン」(カラス)と呼ばれる機種は、長さがわずか 1メートル、重量は2キロなので持ち歩きが可能。模型飛行機のように宙に投げて飛ばす。たとえば、歩兵部隊が市街地で 行動している時、曲がり角の向こう側に、何があるかを探知できる。

 もっと小さい「ハミングバー ド」(ハチドリ)は長さ10センチ、翼の幅は16.5センチ。今年、試験飛行が行なわれた。ハチドリの形をしており、腹の部分に重さ18グラムのカメラを装備し、羽根をぶんぶん回しながら、最高時速17キロで飛ぶことができる。小型化はそこで留まらず、「未来のドローン」として「虫」サイズのドローンも開発中で、実 用化は2030年を目指しているとか。スパイ用のドローンだけでなく、敵を攻撃するための機種も進化している。

 まさにSF映画「アバタ-」の 世界のようだが、軍は鳥や虫、たとえば鷹や蛾など、自然界の生き物を参考にしている。遠隔地で操作される未来の戦争は、まるでビデオゲームのようだが、秘密の会議の時に、ハエがぶんぶん飛んできたら、それは敵国のスパイかもしれない。



怪人たちの同窓会

怪人も年をとった

 イギリス人作曲家、アンドリュー・ロイド・ウエッバー作のミュージカル「オペラ座の怪人」が25周年を迎えた。

原作はフランス人作家、ガストン・ルルーが1910年に書いた小説で、2006年にウエッバーの「キャッツ」の記録を追い越し、史上最も長い期間にわたって上演されている作品となった。

世界中、25カ国、150近い都市で上演されたこのミュージカル、筆者もニューヨーク、シカゴ、そして東京で見た。一度聞くと、まるで怪人に洗脳されたごとく、頭の中をがんがん音楽が鳴り響くような強烈な旋律だ。あらすじもわかりやすく、若くて美しいクリステイーン、その恋人ラウル、クリステイーンを陰であやつり歌の指導をするファントム(怪人)という三角関係がおりなすラブ・ロマンス。この作品があたった理由は、奇抜な舞台(シャンデリアが落ちてくる、霧の中を船で移動するなど)、きらびやかな衣装、最後は怪人がクリステイーンの幸せを祈って消えていくというせつなさで観客の同情を誘う。

「ミュージカルの道場」ともいうべきロンドンのウエストエンドやニューヨークのブロードウエーは、作品に人気がないと数週間で閉幕になる厳しい世界だ。

1億人以上が見たというヒット作品は、最近、映画館への衛星中継によって、さらに聴衆の枠を広げた。ロンドン、アルバートホールでの記念公演を欧米の映画館で「パブリックビューイング」というわけだ。ミュンヘンのある映画館は、ほぼ満員。普段の倍の値段だが、ロンドンへ行くことを考えれば安い。

しかし、25年間には関係者の人生にもいろいろあったようだ。ウエッバーは初演のスター歌手、サラ・ブライトマンと結婚したが、離婚した。衣装担当の女性は急死。アルバートホールからの中継では、最後に怪人を演じた歴代の歌手たちが同窓会のように特別出演して、熱唱。彼らもそれぞれに年輪を重ねている。

もちろん、四半世紀のあいだに、聴衆の一人であるこちらも中年になったのだ。

 

売れ残りパン屋さん

行列のできるパン屋さん

日本で行列ができる店といえば、ラーメン屋さんだろう。ドイツでも珍しく行列のできる店に出会った。こんなに流行っている店は珍しい。

 一体、何の店かと思えば、前日に焼いたパンを売る「売れ残りパン屋」。ドイツ人は、ふつうパン屋ではその日に焼かれたパンしか買わない。売れ残りパン屋で買えるのは前の日に焼いたパンだが、まだ固くなっていない。価格は普通の4分の1から5分の1。毎日3回パンを食べるドイツ人であれば、2キロもある大型パンを買う場合はかなりの倹約になる。一週間はもつかもしれない。

 お昼ごろに見た行列はみるみるうちに短くなり、しまいに誰もいなくなった。店を覗いてみれば、午後2時前に完売。せっかく焼いたパンを捨てなくてすむため、店にとっても割りが合うのだ。

 並んでいたのはほとんどが中高年層か、お年寄り。ここ数年間、ドイツでも経済の停滞で早期に退職して年金生活者となる場合が増えているだけでなく、物価が上がる一方で賃金が減り、年金が減る傾向にあるため、高齢者の中で低所得者が増えているからだ。

 しかし、失業や派遣業による賃金停滞も影響している。特に親の介護をする女性たちは、子育てとのダブルパンチを受けている。若い頃に充分に蓄えをしなかったのに、高齢になって病気になり働けなくなったケースが多いらしい。ドイツでは市民の過半数以上が不動産を所有していないため、家賃を払い続けられると思っていたのが、高齢になって払えなくなる場合もある。

 若い頃はいろいろと誘惑があるものだが、やはり貯金は重要である。社会福祉が充実しているといわれるドイツでさえ、高齢者の間に貧困が広がっている。ただ、ドイツではこういった高齢者のためにあちこちで前日の食品を売っている。最近、筆者は日本に帰るたびにデパートの地下の食料品売り場へ行くと、あまりの食品の多さに目がくらくらしてしまう。次の日には一体、あの大量の食べ物はどこに行くのだろうか。

 

ミュンヘンに住む四人に一人は外国人です。

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子供の頃から歯医者は苦手です。

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100年住宅に住む

以前、住んでいた住宅は1904年、日露戦争に建設された住宅でした。ヨーロッパでは古い住宅が人気で、住宅は改装を重ねて住むことが多いです。

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