シングル女性に人気のイタチ

ふわふわした毛のペットを飼いたいけれど、忙しくて散歩や世話ができない。アパートは狭く、一人暮しで毎晩の帰宅は遅い。ドイツでは、そんな人々に「イタチ」が静かな人気となっている。

 欧州では、二千年前からイタチがペットとして飼われていた。中世の絵画の中でもよく登場している。犬が人間に飼い慣らされたのは十万年前というが、小型化したのはごく最近のことで、新参者の猫がペットとして家庭に登場したのはわずか500年前からだそうだ。

 一昔前、イタチはねずみ退治やうさぎ狩りの手助けとして農家で飼われることが多かった。つまり猫がねずみ退治の動物として登場する前の「前任者」だったのである。

 90年代になるとヨーロッパの家庭では、世帯数では犬が主流であったものの、数の上では猫に追い抜かれた。猫は散歩に行かずにすむし、一家で数匹を飼っている場合も多い。

 ここにきて、イタチが人気を呼ぶのは、一日中、おりの中に入れておいても夜行性だから昼間は静かに休んでいる。飼い主が夜、帰ってきたところ、ペットのイタチは元気に飼い主を迎えて遊ぶ用意ができているというわけだ。多忙なシングル女性が「相手をしてあげられないうしろめたさを感じることなく、楽しめるペット」なのである。

 20代から40代で子供がいないシングル女性に人気があるというイタチ。ベルリンのイタチ愛好会によれば、ドイツに60万匹、英国では150万人いると推定されている。

 しかし、イタチを飼うには勇気がいる。まずかまれた場合、たいそう痛いらしい。各地のイタチ同好会では、かまれた場合の耐え方についてネット上で意見交換が活発にされている。また、イタチがかもし出す匂いも飼い主たちの悩みで、匂い消しシャンプーや「イタチフレッシュ」などという消臭スプレーもよく売れているそうだ。また、食べ物も猫もほとんど変わらないそうだが、本当の好物といえば、生きたひよこ(!)をはじめ、あくまでも生肉だそうだ。

 イギリスでは「飲み屋でできるスポーツ」のひとつとして、「イタチレッギング」があるそうだ。細かいトンネルなどが大好きなイタチをどのくらい長く(しかもかまれずにあるいはかまれてもガマンして)ズボンの中に入れておけるかという、変わったスポーツである。

 犬や猫のライバルとしてペットの座を狙うイタチ。飼い主がもてあましたのか、瓶のリサイクル箱に捨てられて中にあったビールの残りを飲み干したことですっかり酔ったいたちも見つかったらしい。一時的にはやったペットとして捨てられませんよう二。(保険毎日新聞から、2003年6月25日掲載)

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